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役に立つ技術情報
①反射・透過試料の測定
アタッチメントを使用する事で様々な試料が測定できます。ここでは一般的な測定例を紹介しておりますが、まだ他にも沢山の測定例があります。ぜひ、営業担当者へお問い合わせ下さい。
1. 反射・透過試料の測定(常設型)
2. 透過試料の測定(常設型)
3. 反射試料の測定(ハンディ型)
②反射物体の照射および受光の幾何条件(JIS Z 8722より)
JIS Z 8722では、反射物体の照射および受光の幾何条件に下記の4つを推奨しています。
【図1】反射物体の照射および受光の幾何条件(a)
【図2】反射物体の照射および受光の幾何条件(b)
【図3】反射物体の照射および受光の幾何条件(c)
【図4】反射物体の照射および受光の幾何条件(d)
③透過物体の照射および受光の幾何条件(JIS Z 8722より)
JIS Z 8722では、透過物体の照射および受光の幾何条件に下記の4つを推奨しています。
【図5】 透過物体の照射および受光の幾何条件(e)
【図6】 透過物体の照射および受光の幾何条件(f)
【図7】 透過物体の照射および受光の幾何条件(g)
【図8】 透過物体の照射および受光の幾何条件(h)
④変角光度分布(配光特性)
図1のように、光源の位置と試料面に対する入射角を固定し、入射点を中心にして入射面内で受光器を回転させるとします。このとき、それぞれの受光角における反射光の強さを計測して、受光器の回転角と受光量の関係を空間分布で表したものを変角光度分布といいます。変角光度分布の表示には、部分反射光束または面輝度による方法があります。
(1)部分反射光束による表示
入射した光束について、試料面Sから反射した光をすべて受けるようにしたとき、受光に有効な試料の面積はScosφとなります。ここで受光光束Iφは下式のように表せます。たとえば、完全拡散面の変角光度分布を部分反射光束で表すと、図2-(a)のようになるのです。Iφ=Ioρcosφ
(2)面輝度による表示
一定の角度で試料面の広い部分を照明し、その反射光に一定の絞りを通して受光すると、試料の面輝度を測定することができます。ここで反射強度Iφは、下式のように表せます。たとえば、完全拡散面の変角光度分布を面輝度で表すと、図2-(b)のようになるのです。Iφ=Ioρ
【図1】変角光度分布測定の概念図
【図2】完全拡散面の変角光度分布
⑤メタリック感の評価
メッキを施した表面・アルマイト加工したアルミ表面・アルミ粉末を混ぜて塗装した塗装面など、仕上がり表面に金属感をもつ製品があります。これらの外観を管理するとき、通常の条件における色の測定や評価だけでは充分でない場合があります。そういった試料の変角光度分布を調べると、金属感のない材料の表面と比べて著しい違いが見られます。
図3は、ソリッドグレーとメタリックシルバーについて、変角光度計で変角光度分布状態を測定した例です。測定時の条件は、入射角を45度に固定し、受光角rを-70度~+70度まで5度刻みで変化。それぞれの受光角における反射光量を測定しました。
この測定データをグラフ化すると、図4のようになります。このグラフをみると、真上から観察することに相当する0度受光の場合は両者に大差はないものの、受光角を-側にするとメタリックシルバーはソリッドグレーに比べて著しく暗く変化。逆に+側にするとメタリックシルバーはソリッドグレーに比べて著しく明るく変化していることがわかります。
つまり、仕上がり表面に金属感をもつ試料は、観察時のわずかな角度の差により、双方の明るさが逆転するほど変化する性質があるのです。
【図3】ソリッドグレーとメタリックシルバーの変角光度分布測定値
【図4】ソリッドグレーとメタリックシルバーの変角光度分布グラフ
⑥曇り度(ヘーズ)の測定について
曇り度(ヘーズ)の測定は、「プラスチックの光学特性試験方法(JIS K 7105)」の積分球式光線透過率測定装置(図a)による測定が一般的でしたが、「プラスチック-透明材料の全光線透過率の試験方法-第一部シングルビーム法・補償法(JIS K 7361)」、「プラスチック-透明材料のヘーズの求め方(JIS K 7136)」に改正されました(図b)。なお、曇り度(ヘーズ)の求め方は次式で求められます。曇り度(ヘーズ)=散乱光/全光線透過光×100(%)
■ヘーズメーターの概念図
■光学部に対する規格の変更
⑦鏡面光沢度の測定について
鏡面光沢度の測定の原理は、規定された入射角θに対して、試料面からの鏡面反射光束φsを測定することです。ただし、同一条件における屈折率n=1.567のガラス表面の鏡面反射光束φsを基準として、その比で表します。Gs(θ)=(φs/φos)×100(%)
■鏡面光沢度測定器の概念図
■測定光学部の照明・受光角度例
■鏡面光沢度測定方法の種類(JIS Z 8741より)
※「紙および板紙の75°鏡面光沢度の測定方法(JIS P 8142)」は、平行光方式による75度JIS光沢度の測定での規格でしたが、2008年3月31日に廃止されました。現在は、収束光方式(TAPPI方式)による75°ISO光沢での測定方法へ切り替えられています。